考える足

パリでアレクサンダーテクニークを教えています。日々少しづつ学んでます。

ヨガのレッスン

久しぶりのグログ更新になります。

いろいろ書きたいことは多いのですが超マイペースですみません。

 

今日はヨガのレッスンについて。

 

気が付いたら私自身結構長い間ヨガを練習してきたし、ヨガをいろいろな方に教えてきたのですが、私がレッスン(習う時も、教えるときも)の中でちょっと大切にしていることをまとめてみようかなと思います。

 

近年ヨガといって知らない人は稀かと思いますが、もともとはサンスクリット語の「繋がる」という言葉から来ています。インドの代表的な哲学の一つです。同じくインドの代表的な哲学であるサーンキヤ学派と対になり「二元論」(精神原理プルシャと物質原理プラクリティ)が根本にあるため自己実現(解脱)のために「繋がり」を修行していくというものです。もともとは。
 
ただ近年ヨガのレッスンに解脱を求めて来る人は少ないわけで。
みなさんそれぞれ、運動不足の解消だったり、ストレスの解消、グループレッスンの場合はちょっとした社交であったり。中には個人レッスンで腰痛の改善のためにレッスンを受けている方もいらっしゃいます。
腰痛改善には本当はアレクサンダーテクニークのほうがおすすめですが知名度の違いからヨガのほうがとっつきやすいのかもしれませんね。
 
グループや個人の違いによって少しずつレッスンでやることは違いますし、生徒さんの動機はなんでも良いです。ただ私はどんなレッスンでも「繋がり」という概念は一応大切にしています。
 
(「解脱」はちょっと横に置いておきますね。冗談ではなくここんとこ結構大事です)
 
そして「繋がる」ということで結果、ヨガは体性感覚や五感の感度、集中力を上げる素晴らしい方法だと私は思っています。
 
もっと簡単に言うと、体のコントロール感覚を養い、忙しい日常でせっかちになっている自分の体を余裕のある体、余裕のある自分に戻してくれるということです。
 
私たちの体や脳は、感覚に余裕がない状態ではフルに働けないのです。

興奮して急いで動いてしまう状態の人は体の小さい力のコントロールがしにくく自分の置かれている「今」の把握が難しくなります。

 

今自分の周りで何が起こっているのかという把握が難しいと、小さなレベルでのパニックや過緊張につながりやすいです。

 

これ、他人事ではなく私を含めてみんな大なり小なり無意識に経験しているんじゃないかな?

 

とりあえず物事の「形」を「すぐ」遂行しようとする。みたいな。

ちなみに、アレクサンダーテクニークでは「end gaining」といいます。すべての人に共通する癖ですね。

 
ということで私のレッスンではポーズや動きはあまり難しくしないほうが良いと思っています。複雑になるとどうしても「形」の追求になってしまいがちなので。。。
 
「その動きなら簡単にできるよ」というのは、残念ながらヨガが何を目的としているのかよくわかっていないということです。。。
 
自分の体や心の状態、周りを落ちついて把握できてない余裕のない体のまま、俺は!私は!とただ動いているもしくは急かされて動かされているだけかもしれませんね。
 
頑張ってしまう、頑張れてしまう体は実は
 
「能力が十分に発揮される状態ではない」のです。
 
いきなり自分にとって難しいことや強度の高いことをしても脳も体も活性化しないですよ。
 
自分が認識できるスピード、弱いところまで落としてから動きはじめてください。 
 
誰かに合わせるのではなく体に安心感を持たせるようにマイペースでやること。
 
ヨガを通して、今を感じられる状態、自分の体と心、内側と自分の外、周りの状況の「繋がり」を作っていくことによって、落ち着いて自分や周りのことを把握できる、それが本当の集中力を生み、表現力の高い、ハイパフォーマンスの可能な体、小さい力のコントロールができる体を作っていくことに気が付いていただければ嬉しいです。
 
ゆったりと動いていただくことによって、自分の体と空間を感じる把握能力も高まり、結果として体も正常に動くようになります。
 
集中力とは今を把握する能力のことなのでヨガはゆっくり動きながら私たちの本来の集中力を養ってくれます。
 
ヨガもいろんな種類がありますが、基本の目的はほぼ同じはずです。
 
興味を持った方はぜひ自分が集中しやすく安心できる先生、教室を探してみてくださいね。
 
 

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夏休みの終わりに。