考える足

パリでアレクサンダーテクニークを教えています。日々少しづつ学んでます。

夢に向かって頑張るということ。

アレクサンダーテクニークの生徒さんには、音楽やダンス等の分野にかなり力を入れている子供たちが結構います。

みんな夢に向かって頑張ってる?って知りたくて私が最初に聞く質問の一つに「将来その道でプロになりたいって思ってる?」です。いろんな答えが返ってきますよ。もちろんニッコリOui!(はい!)ってきっぱり答える子、「まだわからない」って子。答え方は色々です。もちろん正しい答えなんてないし、明日のことはわからないのが人生なわけで。。。でも私のところにくる子は「まだわからない」って言ってる子でもほとんどプロへの道に少しづつのっかている子たちで、学校と習い事のバランスの取れる時間調整クラスに通っている子がほとんどです。そして謙虚なタイプのご両親でも「もしかしたらこの子は。。。」って思ってる場合が少なくないです。

でもやっぱりみんながみんな頑張っている分野でプロになれるわけではないのが現実です。

 

ということでここでは「プロになるのが幸せか?」という事を考えていきたいと思います。

 本格的にダンスや音楽をやっていると、プロになった子が成功で、プロにならなかった子は落ちこぼれ、断念、という考えがあると思うんです。普通に。

なのでよく「プロになれなかったからOOをしている」となるのですが、OOに入るのは、教師でもいいしなんでもいいんだけど。「なれなかったから」って、自分を貶める必要はないわけで。本当に頑張ったからからこそ「習い事で培った経験を生かして」って言葉を変えるだけで、すごくポジティブな感じになりませんか?頑張ってやったけどダメだったのではなく、思いっきり自分を試して自分を知ったうえで自分のやりたい事が明確になったのです。すごくいい事だと思いません?人生の次のチャプターが開けたのですから。

 だから、失敗を恐れて自分の力の出し惜しみしたらもったいないわけです。
ちゃんと頑張れる子はどんな分野でもしっかり努力できます。
なんとなく、ダラダラやった、のではなく、やりきって、納得して次の道に進んでいる事。そして自分の中でやりたい事がはっきりしていること。つまりゴールがはっきりしている、って事ね。

 甲子園とか駅伝もそうだけど、青春をがっつりかけてやりきった!って素敵だと思うし、人間としてすごく魅力的だと思う。

そしてもう一つの現実として、

逆にプロになっても幸せでない子もたくさんいるのが事実です。
でも職業になっちゃったから今さら辞められるわけでもないし…という人がいるのも知っています。

 国によってはダンサーや音楽家は公務員になるので、研修期間が終わると、終身雇用になる場所もあり、パッションがなくなっても、毎日練習して本番をこなす人がいるという話も聞いています。となると、プロになる「だけ」が幸せじゃないんだよね、って気づくよね。

いい大学にさえ入れば、とか大手企業に入社したから、給料がいいから、幸せ、っていうのはやっぱりなくて、
もの、や未来、状況が幸せにしてくれるのを願うのではなく、
今の自分が幸せでないと一生幸せにはなれないと思うんだよね。
今の連続が、未来を作るんだからさ。